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2021年4月19日

21年度の賃上げ実施企業は66% 20年度からは上昇、東商リサーチ

 東京商工リサーチが19日発表した「2021年度賃上げ調査」によると、賃上げを実施する企業は66.0%で、前年度を8.5ポイント上回った。20年度はコロナ禍の先行き不透明によって最低の57.5%に落ち込んだが、少し回復しそうだ。しかし、人手不足と「官製春闘」で80~82%を記録した19年度以前より、まだ10ポイント以上低い水準にとどまっている。

 産業別に実施する割合が最も高いのは「製造業」の71.9%で、「建設業」の67.4%、「卸売業」の66.9%が続いている。最低は「不動産業」の46.2%。企業規模別では大企業の74.1%に対して、中小企業は64.8%にとどまっている。

 賃上げを実施する企業に賃上げの内容(複数回答)を聞いたところ、「定期昇給」が83.6%で最も多く、「ベースアップ」が28.7%、「賞与増」が22.4%など。しかし、賃上げ率は「2%以上~3%未満」が26.6%、「1%以上~2%未満」が24.0%で、両者で過半数を占め、水準は低い。中央値は2.1%で、大企業が2.0%、中小企業が2.3%となっている。

 同社では、「ワクチン接種効果で経済活動が本格回復すると、人手不足の顕在化が懸念される。賃上げに対応できない中小企業は、人材獲得での苦戦が避けられないだろう」と予測している。

 調査は1日~12日に実施、8235社から有効回答を得た。資本金1億円以上を「大企業」、同1億円未満を「中小企業」と定義している。

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