帝国データバンクが9日発表した「コンプライアンス(法令順守)違反企業の倒産動向調査」によると、2020年度は182件(前年度比43件減)となり、11年度の159件以来、9年ぶりに200件台を割った。同社は新型コロナウイルス対策で、政府が企業に対して緊急融資や雇用調整助成金などを実施した結果、一時的に倒産が抑制されたとみている。
違反累計別にみると、例年最も多い「粉飾」が57件(同21件減)だったのをはじめ、「資金使途不明」の26件(同3件減)、「業法違反」の23件(同8件減)など、軒並み件数を減らした一方、労働基準法違反などの「雇用」だけは20件(同8件増)に増えたのが目立った。同社では、17年から厚生労働省が労基法違反企業の社名公表を始めたことで問題が表面化しやすくなったとみており、労働問題を抱える企業はさらに増えると予想している。
業種別ではサービス業が40件(同9件減)で最も多かった。