厚生労働省が6日発表した毎月勤労統計の2月速報値(従業員5人以上)によると、労働者1人あたり現金給与総額は26万5972円(前年同月比0.2%減)で、昨年4月から11カ月連続のマイナスとなった。しかし、マイナス幅は1月の同1.3%減(確報値)から大きく縮小している。実質賃金指数(2015年=100)は82.7(同0.2%増)で12カ月ぶりにプラスとなった。
基本給の所定内給与は同0.4%増だったが、残業代などの所定外給与が同9.3%減の大幅減となった。就労形態別では、正社員が中心の一般労働者が同0.5%減、パートタイム労働者が同2.5%減とどちらも減少した。1月8日から首都圏(1都3県)で実施され、後に11都府県に拡大した2回目の緊急事態宣言の影響によるとみられる。
給与のマイナス幅の大きかった産業は「飲食サービス等」の同5.2%減、「学術研究」の同5.2%減。逆に「鉱業・採石」は同9.6%増、「その他サービス」は同4.2%増、「電気・ガス」も同3.5%増となった。
月間総実労働時間は131.0時間(同3.4%減)で、4カ月連続の減少。月末の常用労働者数は5144.1万人(同0.6%増)で、パートタイム比率は31.19%(同0.55ポイント減)だった。