東京商工リサーチが3月31日に発表した「上場企業の早期・希望退職」実施状況によると、今年1~3月に募集した企業は41社(前年同期23社)、募集人数は9505人(同4447人)に達し、社数も人数も1年前の2倍前後に達していることがわかった。人数はリーマン・ショック直後の09年の1万60人に次ぐ規模となっている。
業種ではアパレル・繊維製品が7社、電気機器が7社、サービスが4社、運輸が2社、外食が2社など。アパレル関連では、ワールドや三陽商会がコロナ禍による消費の落ち込みで2年連続の募集。サービスはいずれも観光関連だった。41社のうち、コロナ禍を理由に挙げた企業は27社に上っている。
募集規模の大きいのは日本たばこ産業の2950人、KNT-CTホールディングスの1376人、LIXILグループの1200人など。
同社は、今後、2月・3月期決算発表や雇用調整助成金の特例措置の終了が控えていることなどから、早期・希望退職の募集が加速する可能性がある、と予想している。