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2021年3月30日

7割の企業が活用に前向き 従業員シェアリング、マイナビ

 マイナビが30日発表した「企業の雇用施策に関するレポート2021年版」によると、「従業員シェアリング」を活用したいと考えている企業は70.4%に上ることがわかった。慢性的な人手不足の結果、長期雇用を通じて社内人材を育ててきた日本企業の特徴が変質していることをうかがわせる。

 従業員シェアリングは企業が別企業から人材を受け入れる、あるいは別企業に社員を一時出向させる仕組みで、社員の副業・兼業の拡大とともに、近年、注目されている。

 活用意向のある企業のうち、「受け入れ、出向とも活用したい」企業は40.2%で最も多く、「受け入れのみ活用したい」が21.8%、「出向のみ活用したい」が8.4%だった。

 どちらも活用したいと考えている企業の中では、「環境・エネルギー」業種が58.3%で最も多く、次いで「フードサービス」が55.6%。逆に「マスコミ・広告・デザイン」は26.3%、「商社」も28.8%と低かった。企業規模別では従業員1001人以上の大企業で51.4%に達し、同301人~1000人の企業で48.0%に上っている。

 活用したい理由(自由回答)として、「能力の高い人材を、多様な形で受け入れたい」「雇用の流動化を図りたい」「これからの時代に合っている」などが挙がっている。

 現実には、社員の副業・兼業を認めている企業は47.8%だが、社外の副業・兼業人材を受け入れている企業は31.8%にとどまっている。

 調査は1月14~20日に実施、企業の採用担当者1333人から有効回答を得た。

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