東京商工リサーチが4日発表した2020年「障害者福祉事業」の破綻は、倒産が20件(前年比10件減)、休廃業・解散が107件(同1件増)となり、合計127件。前年より9件減少したものの、2年連続で100件を超える高止まり状態が続いている。
倒産が減ったのは新型コロナウイルス対策で政府などの支援策が奏功したためだが、休廃業・解散は前年を1件上回る過去最高となった。慢性的な人手不足に加え、コロナ禍の感染防止対策の負担増などで業績が低迷、体力の残っているうちに事業停止を選択する事業者が多かったためとみられる。
倒産の場合、20件のうち8件が「放漫経営」が原因で、全件数で従業員10人未満の零細規模。2013年の障害者総合支援法の改正などで民間企業の参入が増えているものの、収入面など事業計画の甘い事業者が目立ち、賃金の未払いや障害者雇用を装った不正受給も出るなど、悪質事業者も増えている。