厚生労働省が2日発表した1月の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.05ポイント上昇の1.10倍となった。求人倍率は昨年9、10月の1.04倍を底に、11、12月は1.05倍と徐々に回復傾向にあり、1月に入って大きく回復した。
ただ、有効求人数は同3.1%増だったが、有効求職者数は同2.3%減となり、1月の緊急事態宣言の影響で職探しをやめた人も多いとみられることから、雇用が実際に好転したかどうかは不明だ。都道府県別(就業地別)では前月と同様に福井県の1.64倍が最高で、最低は沖縄県の0.77倍だった。
新規求人倍率は2.03倍で前月比0.08ポイントの低下。新規求人数(原数値)は前年同月比11.6%減で、業種別では建設の同11.9%増を除くと、宿泊・飲食サービスが同37.5%減、生活関連サービス・娯楽が同26.2%減、卸・小売りが同17.2%減など、前月と同様に感染第3波の影響を受けて大きく落ち込んでいる。
また、正社員の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.02ポイント増の0.79倍となった。
1月完全失業率は2.9%に低下、休業者は"高止まり"
総務省が2日発表した1月の就業者数は6637万人で、前年同月比50万人減、10カ月連続の減少となった。完全失業者は197万人と同38万人の増加で、12カ月連続の増加となった。
この結果、完全失業率(季節調整値)は前月比0.1ポイント低下の2.9%となり、昨年7月以来の2%台を回復した。男女別では男性が3.2%、女性が2.6%で、男性は前月と同じ、女性は0.2ポイント低下した。
形態別雇用者数では役員を除く雇用者5610万人のうち、正社員は3552万人で前年同月より36万人増えた一方、非正規社員は2058万人で同91万人減の大幅減。非正規率は前月から0.5ポイント低下の36.7%となった。非正規で大きく減っているのはアルバイトの445万人(同42万人減)とパートの1007万人(同25万人減)。派遣社員も136万人で同6万人減少した。
また、1月の休業者は244万人で前月比42万人増、前年同月比50万人増と12月からの増加傾向が続いており、2カ月連続の200万人超えとなっている。