日本生産技能労務協会が26日発表した「製造請負・派遣事業動向調査」によると、1月度の業況判断DIはマイナス8となり、昨年7月度(マイナス57)を底に2四半期続けて確実に回復基調をたどっている。新型コロナの影響による取引先の休業が減少し、人材ニーズも回復しつつあるが、業種間のバラつきがあり、回復は限定的とする企業が多い。人材需要が高まっている分野では新規採用が厳しい状態となっている。
業況判断DIは、「良い」と回答した企業の割合から「悪い」と回答した企業の割合を引いた数値。調査は1月6日から20日に実施。回答企業数67社、回答率74.4%。技能協が会員企業の協力を得て四半期ごとに調査しており、11年4月の調査開始以来、今回で40回目となる。
業況判断の理由として、「自動車関連を中心に生産活動が改善傾向にあり、人材需要も回復しつつある」「業種によって人材需要は増加傾向にあるが、一方で人材の採用は総じて困難な状況」などの回答があった。
一方、先行き3カ月後の予測DIはマイナス6。「緊急事態宣言の影響や半導体の欠品に伴う余波など、市場回復というにはまだ足りない」「極端な変化の兆候は見られない」「人材需要の先行きは不透明感を増している」などの回答が目立つ。
このほか、スタッフ社員(派遣・請負)の判断DI(不足―過剰)はプラス71で、昨年10月度(プラス51)に比べて20ポイント上回っている。回答企業67社の20年12月末現在の雇用人数は14万4667人で、このうち、スタッフ社員が13万5648人だった。スタッフ社員の内訳は派遣社員10万5642人、請負社員3万6人。
【関連記事】
3四半期連続のマイナス、回復の兆しも
10月度の製造請負・派遣事業の動向調査、技能協(2020年11月24日)