帝国データバンクが15日発表した2021年度「賃金動向に関する企業の意識調査」によると、正社員の賃金改善を見込んでいる企業は42.0%(前年比11.3ポイント減)となり、14年度当時の46.4%と並ぶ7年ぶりの低水準となっている。新型コロナウイルスの感染拡大による業績低迷が主な理由。
また、賃金改善が「ない」は28.0%(同7.8ポイント増)、「わからない」も30.0%(同3.5ポイント増)あり、コロナ禍の先行き不透明を反映して、賃金アップに慎重な姿勢をみせている企業の多いことがわかった。賃金改善がない企業の場合、理由は「自社の業績低迷」が76.7%(同18.6ポイント増)に上り、前年から大幅に増えている。
規模別では、賃金改善を見込んでいる大企業は38.2%(同11.1ポイント減)だが、中小企業は42.9%(同11.4ポイント減)、小規模企業でも37.0%(同10.8%減)といずれも1割減となっている。業種別で最も高いのは人手不足に悩む建設業の47.8%(同10.1ポイント減)、最も低いのは金融業の25.2%(同10.9ポイント減)となっている。
調査は1月18~31日、全国2万3695社を対象に実施し、48%の1万1441社から有効回答を得た。