連合は5日、都内で2021年春闘中央総決起集会を開いた。連合傘下の組合員だけでなく、若者や外国人ら働く者すべてが参加する「みんなの春闘」を掲げ、VR(仮想現実)を活用して盛り上げた。神津里季生会長は「コロナの危機に負けてはいけない。賃上げの流れを断固として貫いていこう」と、賃上げにこだわる姿勢を強調した。
21年春闘で連合は、ベースアップ(ベア)を前年に引き続き「2%程度」とした。ベア要求は8年連続で、水準を「2%程度」とするのは6年連続。春闘の中心となる賃上げ要求は、「底上げ」のため定期昇給分を含めて4%程度、「底支え」のため「時給1100円以上」を目指す。
今月中旬からの本格交渉を前に、神津会長は「コロナの影響は業種、業態で偏っており、特に不安定な雇用形態の人たちに集中的に表れている。今こそ、生活保障とスキルアップと就労支援のマッチングをパッケージにしたセーフティネットを構築しなければいけない」と主張。「労使のリーダーシップが問われている。閉ざされた世界での思考停止は合成の誤謬(びゅう)をもたらすだけだ。日本の将来につないでいけるか否かの分かれ道となる」と力を込めた。
続いて、産単別の代表や外国人、若者、障害を持つ働く仲間が、それぞれの視点で「みんなの春闘」にかける決意や思い、期待を訴えた。最後に、相原康伸事務局長=写真=がガンバロー三唱し、団結を誓ってこぶしを突き上げた。