厚生労働省が3日発表した2020年上半期(1~6月)の雇用動向調査によると、入職者数は4360.7千人、離職者数は4321.9千人で、年初の労働者数に対する入職率は8.5%(前年同期比1.2ポイント低下)、離職率は8.5%(同0.6ポイント低下)と同率になった。
前年同期は0.6ポイントの入職超過だったが、新型コロナウイルスの感染拡大で入職者、離職者とも減少したものの、離職者の減少率が入職者を上回った。上半期が同率となったのは11年以来で、それ以降は人手不足の長期化で入職率が離職率を上回っていた。コロナ禍による雇用悪化で、下半期は離職超過となる懸念が高まっている。
就業形態別では、正社員を中心にした一般労働者は入職者が2608.5千人、離職者が2324.9千人で、入職率は7.1%、離職率は6.3%と0.8ポイントの入職超過。パートタイム労働者は入職者が1752.2千人、離職者が1997.0人で、入職率は12.2%、離職率は13.9%と1.7ポイントの離職超過だった。
主要産業別では、入職者が最も多かったのは医療・福祉業の762.6千人、離職者が最も多かったのは卸・小売業の727.2千人。率で最も高かったのはいずれも宿泊・飲食サービス業で入職率は12.4%、離職率は15.3%だった。
調査は年2回実施。今回は昨年6~8月、1万5396事業所を対象に実施し、58.7%の9032事業所から有効回答を得た。回答事業所の入職者は3万6412人、離職者は3万8624人。