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2021年1月22日

昨年の消費者物価指数、4年ぶり下落 21年度公的年金も4年ぶり減少へ

 総務省が22日発表した昨年12月の消費者物価指数(CPI、2015年=100)は、季節変動の大きい生鮮品を除く総合で101.1となり、前年同月比で1.0%下落した。新型コロナウイルスの感染第3波の到来による需要低迷や政府の観光需要喚起策である「Go Toトラベル」の宿泊料割引が全体を押し下げた。1.0%下落は10年3カ月ぶりの下げ幅となった。

 この結果、20年の年間指数は101.5(前年比0.2%下落)と4年ぶりのマイナスとなった。生鮮品も含む総合では101.8で前年と同水準だった。年間指数は17年に100.2(同0.5%上昇)となってから、3年連続のプラスを続けていたが、3年とも上昇幅は1%以下と弱く、政府・日銀の目標だった2%には及ばないまま推移していた。

 昨年は原油相場の下落でガソリンが6.3%、電気代が3.5%など、エネルギー関連が軒並み下落。政府が7月に始めた「Go Toトラベル」の影響で宿泊料は16.7%下がるなど、下落に拍車を掛ける結果となった。今回の下落で、日本経済は再びデフレ懸念が高まりつつある。

 これを受けて厚生労働省は同日、21年度の公的年金の受給額を20年度比0.1%引き下げると発表した。現役世代の賃金水準を受給額に反映させるルールを適用したもので、減額は4年ぶり。厚生年金を受け取る夫婦2人のモデル世帯では月額228円減の22万496円、自営業者らが加入する国民年金では同66円減の6万5075円になる。

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