東京商工リサーチが21日発表した2020年の上場企業の早期・希望退職募集は93社に上り、19年の35社から2.6倍に急増、リーマン・ショック時の09年の191社に次ぐ規模となった。募集人数は判明した80社で1万8635人。募集企業のうち、直近の決算で赤字になった企業が過半数の51社あり新型コロナウイルス感染拡大で業績悪化に見舞われた企業の苦境が浮き彫りになった。
業種別ではアパレル・繊維製品が18社で最も多く、自動車関連と電気機器が各11社、居酒屋チェーンなどの外食、小売りが各7社など。また、ラオックス、アツギなど年内に2回募集した企業が8社あった。
また、21年に募集を始める企業が21日時点で22社、3490人が判明している。コロナ禍の長期化で業績低迷から抜け出せない企業が多く、今後の雇用の悪化が懸念される。政府は雇用調整助成金の活用などを通じて企業に雇用の維持を呼び掛けているが、コロナ収束が見通せない状況下では厳しい選択を迫られそうだ。