厚生労働省が15日発表した2020年「障害者雇用状況」調査(昨年6月1日時点)によると、企業の障害者雇用数は57万8292.0人(前年比3.2%増)で、実雇用率は2.15%(同0.04ポイント増)となり、どちらも過去最高を更新した。2.2%の法定雇用率を達成した企業は4万9956社で、比率は48.6%(同0.6ポイント増)と上昇はしているものの、依然として半数以上が未達成のままだ(短時間勤務の場合は0.5人にカウント)。
障害の内訳は、身体障害者が35万6069.0人(同0.5%増)、知的障害者が13万4207.0人(同4.5%増)、精神障害者が8万8016.0人(同12.7%増)で、前年までと同様に精神障害者の伸びが目立った。
法定雇用率の未達成企業は5万2742社あり、そのうち不足数が0.5人か1人の企業(1人不足企業)が65.6%の多数を占めている。未達成企業のうち、1人も雇用していない企業は57.9%にあたる3万542社あった。一方、親会社の実雇用率に算入できる特例子会社は542社(同25社増)で、雇用者は3万8918.5人(同2144.0人増)だった。
公的機関の雇用数と実雇用率は、国が9336.0人、2.83%、都道府県が9699.5人、2.73%、市町村が3万1424.0人、2.41%、教育委員会が1万4956.0人、2.05%だった。法定雇用率は2.5%、教育委員会が2.4%であり、市町村と教育委員会が未達成となっている。独立行政法人は1万1759.5人、2.64%だった。
政府機関の雇用については18年にほとんどの省庁で雇用者の大幅水増しが発覚し、採用のやり直しをした結果、20年は法定雇用率を達成できた。また、企業の法定雇用率はこの3月から0.1%引き上げられて2.3%に、対象企業の規模は45.5人以上から43.5人以上に引き下げられることになっている。
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