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2021年1月 8日

昨年の高齢者施設の倒産118件 過去最高を更新、東商リサーチ

 東京商工リサーチは8日、昨年の老人福祉・介護施設の倒産が118件と過去最多を更新した、と発表した。介護保険法が施行された2000年以降では、これまで最多だった17年、19年の111件を上回った。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う利用者の減少が要因の一つ。負債総額は140億1300万円。

 業種別では「訪問介護」が56件で最も多く、深刻なヘルパー不足が原因。次いでデイサービスなどの「通所・短期入所介護」が38件で、大手と中小の競争の激化が背景にある。負債規模では1億円未満の中小・零細施設が94件と8割を占めている。

 こうした状況に対応するため、政府は21年度の介護報酬のプラス0.7%を予定しているが、1都3県に出した緊急事態宣言によって首都圏の利用減が懸念されることから、同社は施設の倒産が今後も増える可能性が高いと予想している。

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