東京商工リサーチが7日発表した2020年の飲食業年間倒産件数(負債1000万円以上)は842件、負債総額は498億6200万円となり、件数ではこれまで最多だった11年の800件を上回る過去最多となった。このうち、緊急事態宣言が再発令される予定の1都3県の首都圏では212件に上った。
業種別件数で最も多いのは、日本料理や中華料理など「専門料理店」の201件で、「食堂、レストラン」の194件、「酒場、ビアホール」の174件が続いた。「酒場、ビアホール」は自治体に時短要請を受けたことなどから、12年の141件を大きく上回る過去最高となった。増加率が最も高かったのでは「すし店」の32件(前年20件)で、次いで「そば・うどん店」の19件(同13件)だった。
同社は「コロナ禍で多くの会社や個人が忘・新年会などを控え、飲食店は年末年始の書き入れ時の売り上げが消失したところへ、再度の緊急事態宣言の発令は、当該地域の飲食店の経営に大きな打撃を与えかねない」とみている。