東京商工リサーチが9日発表した今年1月からの上場企業の早期・希望退職によると、7日までに90社に達した。この社数はリーマン・ショック直後の2009年の191社に次ぐ水準。募集人数は判明分で1万7697人にのぼり、12年の年間1万7705人と並んだ。
募集企業の業績は直近の決算で50社が赤字を計上。新型コロナウイルスで業績が悪化した企業による「赤字リストラ」を実施している状況が浮き彫りになった。また、21年に募集を始める企業は9社、1950人が判明している。
業種で多いのはアパレル・繊維の17社で、自動車関連が11社、電気機器が10社、居酒屋チェーンなどの外食が7社となっている。募集人数で多いのは日立金属の1030人が最多で、レオパレスの1000人、コカ・コーラボトラーズジャパンの900人、ファミリーマートの800人など。
一方、募集人数が300人以下は67社の多数を占め、このうち100人以下が44社。中堅企業の部門統合や縮小などによる小規模募集が目立っているという。