リクルートキャリアが3日発表した「ジョブ型雇用」に関する人事担当者調査によると、「ジョブ型雇用」の言葉を知っている人は54.2%、知らない人は45.8%とほぼ拮抗しているが、企業規模が大きくなるほど知っている比率は上がり、従業員300人未満の42.6%に対して、同5000人以上では62.8%にのぼった。
勤務先の「ジョブ型雇用」の導入については、「導入しておらず、検討もしていない」が42.1%で最も多く、「導入していないが検討中」が23.5%で、「導入している」は12.3%にとどまっている。これも企業規模によって開きがあり、「導入している」企業は従業員300人未満では9.2%で、同5000人以上では19.8%だった。
今回のコロナ禍で「ジョブ型雇用」がクローズアップされているが、コロナをきっかけに議論が進んだかどうか聞いたところ、「まったく進んでいない」が過半数の50.9%にのぼり、「話題に上がった程度で進んでいない」が21.0%、「ある程度進んだ」「かなり進んだ」を合わせて24.8%程度に過ぎなかった。
「ジョブ型雇用」の具体的な内容になると、最も多かったのは「詳細はわからない」の38.5%で、「仕事の内容の定義(ジョブ・ディスクリプション作成)と適材適所の推進」が31.4%、「求められる組織ミッションや職責レベルに応じてグレードを定め、人材をグレードで管理する」が29.8%で続いた(複数回答)。
これらの結果について、同社は「ジョブ型かメンバーシップ型かという二元論にとらわれず、事業の必然性と課題に向き合い始めた企業人事のスタンスがみえてくる」と分析し、「多様な人事戦略への深化は始まったばかり」と結論付けている。
調査は9月26~30日に実施、企業の人事担当者1224人から有効回答を得た。