厚生労働省が1日発表した10月の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.01ポイント上昇の1.04倍で、10カ月ぶりに上昇した。単月では2014年1月と同じ水準で、下降局面では07年央と同じ水準。都道府県別(就業地別)では福井県の1.58倍が最高で、最低は沖縄県の0.73倍だった。
今年は新型コロナウイルスの感染拡大による企業の求人意欲の低下が続いていたが、低下ペースは少し緩やかになっていた。ただ、11月から感染の第3波が押し寄せていることから、10月で低下傾向に歯止めが掛かったかどうかは不透明だ。
新規求人倍率は1.82倍で前月比0.20ポイント低下した。新規求人数(原数値)は前年同月比23.2%減で、落ち込み幅は再び拡大している。業種別では前月までと同様に、宿泊・飲食サービス業の同38.2%減、生活関連サービス・娯楽業の同35.4%減、卸・小売業の同32.6%減、製造業の同29.4%減などが目立った。
また、正社員の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.01ポイント上昇の0.79倍となった。
10月の完全失業率、0.1ポイント悪化の3.1%
総務省が1日発表した10月の就業者数は6694万人で、前年同月比93万人減と7カ月連続で減少した。完全失業者は215万人で同51万人増え、9カ月連続の増加となった。
この結果、完全失業率(季節調整値)は前月比0.1ポイント上昇の3.1%となった。単月では16年8月と同じ水準で、悪化傾向で比較するとバブル崩壊が本格化した1995年3月~7月当時と同じ水準。内訳は男性が前月から0.2ポイント悪化の3.4%で、女性は前月と同じ2.7%。
形態別雇用者数では役員を除く雇用者5645万人のうち、正社員は3535万人で前年同月より9万人増。非正規社員は2111万人で、前月に続いて同85万人の大幅減。非正規ではパートが1060万人(同3万人減)、アルバイトが448万人(同35万人減)、契約社員が273万人(同14万人減)、派遣社員が135万人(同10万人減)、嘱託が114万人(同18万人減)といずれも減少が続いている。非正規比率は前月比0.3ポイント増の37.4%。
また、10月の休業者は170万人と前月比27万人減、前年同月比12万人増と減少した。