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2020年11月24日

3四半期連続のマイナス、回復の兆しも 10月度の製造請負・派遣事業の動向調査、技能協

 日本生産技能労務協会が24日発表した「製造請負・派遣事業動向調査」によると、10月度の業況判断DIはマイナス43となり、4月度(マイナス35)と7月度(マイナス57)に続いて3四半期連続の大幅マイナスを記録した。2011年4月の調査開始以来最も低かった前回7月度に比べ、マイナス幅は縮小したが、新型コロナウイルス感染拡大を原因とした取引先の減産や休業による受注減少は現在も回復していない。

 業況判断DIは、「良い」と回答した企業の割合から「悪い」と回答した企業の割合を引いた数値。技能協が会員企業の協力を得て四半期ごとに調査しており、今回の調査は10月7日から同21日に実施した。回答企業数65社、回答率73.0%。

 業況判断の理由として、「4月以降、受注量が不足している」「底打ち感は出てきたが、人材需要はまだ限定的」「新型コロナに伴う休業や生産調整は7月を境に回復傾向にあるが、昨年の稼働状況と比べると開きが大きい」などの回答があった。

 一方、先行き3カ月後の予測DIはマイナス9。前回7月度のマイナス41に比べると持ち直しの兆しが感じられる。「大口の受注も入り始め、需要は回復傾向にある」「感染拡大前の水準には届かないが、徐々に受注や採用は好転している」などの回答が目立つ。

 このほか、スタッフ社員(派遣・請負)の判断DI(不足―過剰)はプラス51で、今年7月度(プラス15)に比べて36ポイント上回っている。回答企業65社の20年9月末現在の雇用人数は13万8589人で、このうち、スタッフ社員が12万8775人、プロパー社員(内勤)は9814人。スタッフ社員の内訳は派遣社員10万2160人、請負社員2万6615人となり、6月末時点と比べて雇用維持は達成できている模様だ。


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