日本人材派遣協会が19日発表した20年第3四半期(7~9月)の派遣社員の実稼働者総数は平均34万2866人(前年同期比5.8%減)となり、2四半期連続のマイナスとなった。稼働者数は13年第3四半期から27四半期連続でプラスが続いていたが、第2四半期(4~6月)に同1.9%減のマイナスに転じ、第3四半期はさらに減少幅が拡大した。ただ、新型コロナウイルスの感染拡大が経済と雇用に与えている未曽有の事態を直視すると、政府の一連の雇用維持対策や派遣元の努力で「踏みとどまっている」との見方ができる。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、第2四半期は政府が緊急事態宣言や移動制限を発令していた期間にあたり、派遣業界もその影響を受けたが、第3四半期に入って、さらに影響が本格化したことがわかった。会員企業508事業所を集計した。
地域別にみると、最も多い南関東が18万9502人(同4.8%減)、近畿が5万4205人(同4.9%減)、東海が3万204人(同8.7%減)など、全10地域がマイナス。第2四半期で唯一プラスだった九州も1万7718人(同3.3%減)のマイナスに転じた。
業務別では、第2四半期と同様に最多の一般事務が16万2656人(同12.1%増)、貿易が1万2405人(同4.5%増)とプラスを維持した一方で、機器操作が4万6621人(同15.1%減)、財務が1万471人(同3.6%減)、製造も9863人(同18.7%減)と1万人の大台を割り込んだ。
短期派遣(30日以内)は6万6774人(同33.4%減)。第2四半期からわずかに増えたものの、マイナス幅はほぼ同じで、飲食店などの不振が影響しているとみられる。