厚労省は30日、2017年3月に卒業して就職した学生の3年以内の離職状況を発表した。それによると、大卒の離職率は32.8%(前年比0.8ポイント増)、高卒は同39.5%(同0.3ポイント増)、中卒は59.8%(同2.6ポイント減)で、大きな変動はみられなかった。
このうち大卒の場合、1999年から10年近く、離職率は30%台半ばで推移していたが、リーマン・ショックによる雇用不安が高まった09年には29%と30%台を割り込んだ。しかし、その後はアベノミクスによる好況と人手不足で転職が増えたことから、離職率はジワジワ上昇し続け、31~32%の間で推移している。
離職率は企業規模によってかなり差があり、従業員1000人以上の大企業が26.5%だったのに対して、企業規模が小さくなるほど高くなり、同5~29人の中小企業では51.1%と半数以上が離職しており、若者のキャリア形成に影を落としている。
業種別では宿泊・飲食サービス業が52.6%、生活関連サービス・娯楽業が46.2%、教育・学習支援業が45.6%と高く、反対に電気・ガス業は11.4%、鉱業・採石業は14.0%と低い。製造業は20.4%だった。