厚生労働省は30日、2020年版「過労死白書」を閣議決定、公表した。それによると、過労死の最大原因となっている長時間労働について、残業を含む週60時間以上働いている雇用者の割合は19年で6.4%にあたる374万人で、前年より各0.5ポイント、23万人減少しており、9年連続の減少となった。年次有給休暇の取得率は52.4%(同1.3ポイント増)上昇、4年連続で上昇している。
しかし、雇用者のリフレッシュに有効とされる勤務間インターバルについて、「制度を知らない」と回答した企業の割合は15.4%(同11.2ポイント減)と大きく減ったものの、実際に導入している企業になるとわずか3.7%(同1.9ポイント増)。前年の2倍以上に増えたものの、導入企業の少なさが際立った。
過労が原因の労災認定件数は民間企業の場合、脳・心臓疾患で216件(うち死亡が86件)、精神疾患で509件(うち自殺が88件)となっており、脳・心臓疾患は微減傾向にあるが、精神疾患は500件前後の"高止まり"が続いている。