技術者派遣のメイテックが29日発表した2020年9月連結中間決算(日本基準)によると、新型コロナウイルスの感染拡大によるメーカーの生産減を反映してエンジニアの稼働率なども低下したため、売上高は470億9100万円(前年同期比5.0%減)、営業利益は48億7800万円(同18.7%減)、経常利益は49億700万円(同18.5%減)、中間利益は31億3800万円(同21.0%減)の減収減益となった。中間配当は1株68.50円(同18.0円減)の減配とする。
内訳はメイテックが売上高348億4600万円(同5.8%減)で、9月末エンジニア数は7454人(同3.3%増)。メイテックフィルダーズが各102億7200万円(同1.6%減)、3163人(同12.1%増)となり、メイテックフィルダーズの勢いがメイテックを上回っている。全エンジニア数は1万617人(同5.8%増)となった。
稼働率はメイテックが89.5%(同5.6ポイント減)、メイテックフィルダーズが85.8%(同8.2ポイント減)で、エンジニア数は増えたものの、新人配置の遅れや受注件数減などで稼働率が低下して収益減につながった。業種別ではメーンの自動車などを中心に減少が目立ったものの、精密機器、情報処理・ソフト開発はコロナに対応する医療システムのネットワーク構築需要が増え、売上高を伸ばした。
通期は売上高975億円(前期比3.5%減)、営業利益99億円(同23.4%減)、当期純利益66億円(同27.4%減)の減収減益を予想。期末配当も98.5円で年間167円(同35.0円減)の減配を予定している。売上高は前回、初の1000億円の大台を突破して過去最高を記録したが、今回はコロナ禍で再び大台を下回り、11年3月期以来続いた増収記録に赤信号が灯っている。
國分秀世社長は「年度後半も受注環境は弱含みで厳しい状況が続くとみられるが、技術系、DX系に対する企業の人材需要は大きく、意欲の衰えは感じられないため、人材育成に努めたい」と話している。