東京商工リサーチが8日発表した2020年度上半期(4~9月、負債額1000万円以上)の企業倒産は3858件(前年同期比398件、9.4%減)、負債総額5991億1900万円(同0.7%増)となり、上半期の件数としては1991年以降の30年間の最少を記録、負債額も同2番目の低水準だった。
新型コロナウイルスの感染拡大で大半の企業は業績悪化に見舞われたが、同社は「5月に裁判所の業務が一部縮小したことに加え、政府・自治体の緊急避難的な資金繰り支援が奏功したのが要因」とみている。
業種別の件数では、サービス業他が1306件で最も多く、この中には感染拡大の影響を大きく受けた飲食業の436件(同25件増)、宿泊業の71件(同43件増)が含まれる。次いで建設業の565件(同166件減)、製造業の448件(同69件減)など。上場企業はアパレルのレナウンとアミューズメントのNutsの2社。
新型コロナ関連倒産は483件で、6月の103件をピークに7、8月は減少傾向にあったが、9月に再び100件を記録した。10月も32件発生、2月からの累計では8日時点で573件となっている。
一方、人手不足倒産は215件(同10件増)で、上半期としては2年ぶりに増加した。新型コロナの影響で求人難や人件費高騰による破綻は減ったものの、後継者難は173件(同49件増)と増えた。