総務省が2日発表した8月の就業者数は6676万人で、前年同月比75万人減と5カ月連続で減少した。完全失業者は206万人で同49万人増え、200万人の大台を超えて7カ月連続の増加となった。
この結果、完全失業率(季節調整値)は前月比0.1ポイント増の3.0%となり、3%の大台に乗せた。単月では17年1月当時と同じ水準で、悪化傾向で比較するとバブル崩壊が本格化した1994年後半~95年前半と同じ水準。内訳は男性が前月と同じ3.0%で、女性が0.2ポイント悪化の2.9%。
形態別雇用者数では役員を除く雇用者5605万人のうち、正社員は3535万人で前年同月より38万人増。非正規社員は2070万人で同120万人の大幅減。非正規ではパートが1007万人(同41万人減)、アルバイトが440万人(同33万人減)と減少の中心だが、7月に続いて契約社員が296万人(同20万人減)、派遣社員が127万人(同13万人減)、嘱託が114万人(同14万人減)といずれも減少が続いており、雇用減が非正規全体に広がっている。非正規比率は前月比0.6ポイント増の36.9%。
また、8月の休業者は216万人(同14万人増)となり、前月比4万人減。4月の597万人をピークに減少傾向を続けているが、8月の完全失業者は前月より9万人増えており、減少分の多くが失業者に加わったとみられる。
8月の有効求人倍率1.04倍、8カ月連続の低下
厚生労働省が2日発表した8月の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.04ポイント下落の1.04倍と大幅に下がった。8カ月連続の低下で、単月では2014年1月と同じ水準だが、下降局面では07年前半と同じ水準。新型コロナウイルスの感染拡大による企業の求人意欲の低下が依然として続いている。都道府県別(就業地別)では福井県の1.51倍が最高で、最低は沖縄県の0.74倍だった。
新規求人倍率は1.82倍で前月比0.10ポイント上昇した。新規求人数(原数値)は前年同月比27.8%減で、前月とほぼ同じ減少幅。業種別では前月までと同様に、宿泊・飲食サービス業の同49.1%減、生活関連サービス・娯楽業の同41.0%減、製造業の同38.3%減などが目立った。
また、正社員の有効求人倍率(季節調整値)も前月比0.03ポイント低下の0.78倍となった。