厚生労働省が24日発表した8月の労働経済動向調査によると、労働者の過不足状況判断DI(「不足」の割合から「過剰」の割合を引いた数値)は正社員で21ポイントとなり、5月の前期調査から3ポイント低下した。5月は同14ポイントの大幅低下だったが、8月は小幅にとどまった。
業種別では、医療・福祉が40ポイント(同3ポイント減)で最も高く、建設が39ポイント(同7ポイント減)、運輸・郵便が37ポイント(同4ポイント減)と不足度は高いが、いずれも前期より低下している。
パートタイムも前期より2ポイント低い14ポイントとなったが、卸売・小売、不動産・物品賃貸などで26ポイント不足しているのに対して、製造業は新型コロナウイルスの影響でマイナス2ポイントと過剰が不足を上回った。
これらに伴う雇用調整(残業規制、希望退職募集、解雇など)の実施も4~6月期では49%(前期比12ポイント増)と大きく増え、製造業、宿泊・飲食サービス、生活関連・娯楽の業種では60%を超えた。
具体的な措置(複数回答)では「残業規制」が23%で前回と同様に最も多かったが、「休日振替、夏季休暇などの増加」と「一時休業(帰休)」が各17%あり、「一時帰休」は同13ポイント増と大幅に増えた。
調査は四半期ごとに実施し、今回は30人以上の正社員がいる5835事業所を対象に実施、2891事業所から有効回答を得た(回答率48.9%)。