東京商工リサーチが23日発表した「休廃業・解散企業」動向調査によると、1~8月の休廃業・解散は3万5816件(速報値、前年同期比23.9%増)にのぼり、このペースが続くと年間では18年に最多を記録した4万6724社を大幅に上回る可能性が出てきた。
業種別では「総合工事業」が最多の3030件で、「専門サービス業」の1970件、「職別工事業」の1844件、「政治・経済・文化団体」の1813件などが続く。増加率では「金融商品取引、商品先物取引」の同67.3%増(756件)、「政治・経済・文化団体の同52.9%増などが高い。
新型コロナウイルス対策として、政府は雇用維持を目的に倒産防止支援策を強化した結果、同期間の企業倒産は5457件で前年とほぼ同じで推移し、一定の効果をみせている。しかし、中小・零細企業の場合は、もともとが後継者不足や事業不振で事業継続に意欲を失っていた経営者も多く、コロナ禍で拍車が掛かったとみられる。
これについて、同社は「コロナ禍の長期化が予想される中、再チャレンジ支援や高齢社員・経営者への支援など、経済政策と社会福祉を絡めた複層的な議論が必要になる」と分析している。