ディップ総研が23日発表した「定年後の就業意向・就業実態調査」によると、これから定年を迎える55~64歳の57.8%が定年後も働きたいと考え、会社や就業先も「現在と同じ職場」を希望する人が63.7%に達していることがわかった。
これを、すでに定年を迎えた60~79歳と比べると、退職時に「働きたい」と思った人が51.7%で、同じ会社・職場の希望者が53.6%で、現役社員の方がそれぞれ6.1ポイント、10.1ポイント高かった。希望理由は生計の維持、家計の補助などの収入関連が多かったが、健康の維持、働くことが好きといった理由も多かった。
現行の高年齢者雇用安定法では、企業は自社の高齢社員に対して65歳までの雇用確保義務を定めているが、来年4月から改正法が施行され、70歳まで「就業確保措置」を講じる努力義務が生じる。ただし、継続雇用に限定せず、業務委託や社会貢献活動への参加も含めているが、同社は「企業側は高齢者のノウハウが生かされ、活躍できる環境づくりが必要になるだろう」と分析している。
調査は8月21~24日、全国の55~79歳の男女8000人を対象に実施し、そのうち定年前就業者は1391人だった。