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2020年9月18日

コロナ禍にめげず186社が上方修正 宅配便、スーパーなど 東商リサーチ

 東京商工リサーチが18日発表した「新型コロナウイルスによる業績上方修正」調査によると、16日までに上方修正した上場企業は延べ186社で、修正額は売上高が約2732億円、最終利益は約915億円となった。

 最も多い業種は製造業の57社で、在宅勤務などで需要が伸びた食品、衛生用品関連などが中心。外出自粛に伴う巣ごもり消費が寄与した小売業、テレワークの高まりなどで需要が増えた情報通信が上位を占めた。

 売上高で最も修正額が多かったのは食品スーパーのライフコーポレーションで、2回上方修正し、売上額は計265億円増えた。また、巣ごもり消費でBtoCの取引が増えた「佐川急便」のSGホールディングス、日本郵船も各200億円の上方修正となった。100億円以上の上方修正は6社あった。

 上方修正したのは上場企業全体の4.9%にとどまり、下方修正した延べ1176社よりはるかに少ないものの、新型ウイルスの感染拡大リスクを回避しながら上方修正した点は注目される。ただ、同社によると、感染の収束時期が見通せないことなどから、短期的には業績が好調でも先行きには慎重な企業が多く、不安心理はまだ根強いという。

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