東京商工リサーチが14日発表した「飲食業の倒産状況」によると、今年1~8月の飲食業の倒産は583件、負債額368億円にのぼり、前年同期を68件(13.2%)、約19億円(5.4%)上回った。このペースだと通年では2011年の800件を抜いて過去最多を更新する可能性が出ている。
業種別では日本料理店、中華料理店などの専門店が152件で最も多く、食堂・レストランが138件、酒場・ビアホールが114件と続いているが、すし店、そば・うどん店など幅広い業種で増えており、コロナ禍の広がりを見せつけている。負債額では1億円未満が524件で全体の9割を占め、中小企業が圧倒的に多い。
飲食業界は経営体質の弱い中小企業が多いところへ、コロナ禍でインバウンド需要が消失し、4~5月の緊急事態宣言を受けた外出自粛などの影響をモロに受けた業種の一つ。同社によると、政府や自治体の支援などで資金繰りはひと息ついている店が増えており、9月中には政府の「Go To Eatキャンペーン」も始まる予定だが、コロナ禍の収束がまだ不透明なことから、倒産・廃業を余儀なくされる企業は今後も増える可能性が高いという。