厚生労働省は8日、長時間労働が疑われる事業所に対する2019年度の労働基準監督署の年間指導監督結果を発表した。それによると、対象になった3万2981事業所のうち、47.3%にあたる1万5593事業所で違法な時間外労働を確認、是正・改善を指導した。
違法事業所のうち、月80時間を超える時間外・休日労働をさせていたのは5785事業所あり、そのうち月100時間を超えていたのが3564事業所あった。月200時間を超えていた所も136事業所あった。
時間外労働のほかには、賃金の不払い残業が2559事業所、過重労働に対する健康確保措置を実施していなかったのが6419事業所あった。
労基署が指導対象を15年度までの月100時間から、16年度は月80時間に拡大。対象事業所も毎年増やしており、19年度からは大企業に対して時間外労働の上限規制が敷かれたことから、対象事業所を3884カ所増やした結果、法令違反件数も5526件増えた。