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2020年8月27日

過去最低を更新 7月度の製造請負・派遣事業の動向調査、技能協

 日本生産技能労務協会が27日までにまとめた「製造請負・派遣事業動向調査」によると、7月度の業況判断DIはマイナス57となった。これは、調査を始めた2011年4月以来最低で、新型コロナウイルスの影響が出始めた前回調査の4月度時点(マイナス35)を更に下回った格好。取引先の減産や休業による受注減少に歯止めがかかっていない現状が明らかとなった。

 業況判断DIは、「良い」と回答した企業の割合から「悪い」と回答した企業の割合を引いた数値。技能協が会員企業の協力を得て四半期ごとに調査しており、今回の調査は7月8日から同22日に実施した。回答企業数65社、回答率73.9%。

 業況判断の理由として、「感染拡大で取引先の生産調整や休業が発生し、業績が悪化」「自動車関連で生産が縮小し、他の業種にも影響が広がっている」「人員の確保ができても、受け入れ時に待機期間を設ける取引先もある」などの回答があった。

 また、先行き3カ月後の予測DIはマイナス41で、業績回復にはまだ時間がかかると見ている模様。「一定の回復の兆しはあるが、感染拡大前の水準には届かない」「V字回復は見込めない」「取引先の生産改善は一部にとどまっている」などの回答が目立つ。

 このほか、スタッフ社員(派遣・請負)の判断DI(不足―過剰)はプラス15で、今年4月度(プラス23)から8ポイント低下。こちらも、調査開始以来、過去最低となった。回答企業65社の20年6月末現在の雇用人数は13万7863人で、このうち、スタッフ社員が12万9368人、プロパー社員(内勤)は8495人。スタッフ社員の内訳は派遣社員10万2835人、請負社員2万6533人となっている。


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