厚生労働省が31日発表した6月の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.09ポイント下落の1.11倍となった。6カ月連続の低下で、単月では2014年10月と同じ水準。下降局面での水準で比べるとバブル崩壊直後の1992年前半以来だ。新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、企業の求人意欲の低下が続いている。都道府県別(就業地別)では福井県の1.59倍が最高で、最低は沖縄県の0.75倍だった。
新規求人倍率は1.72倍で前月比0.16ポイントの下落。新規求人数(原数値)は前年同月比18.3%減で、30%を超えた4、5月からやや回復してきている。業種別では前月と同様、生活関連サービス・娯楽業の同34.8%減、製造業の同34.2%減、宿泊・飲食サービス業の同29.4%減などが目立った。
また、正社員の有効求人倍率(季節調整値)も前月比0.06ポイント低下の0.84倍となった。
6月の完全失業率2.8%に微減、休業者は236万人
総務省が31日発表した6月の就業者数は6670万人で、前年同月比77万人減と3カ月連続で減少した。完全失業者は195万人で同33万人増え、5カ月連続の増加となった。
この結果、完全失業率(季節調整値)は前月比0.1ポイント減の2.8%と2カ月ぶりに低下した。単月では17年10月当時と同じ水準で、悪化傾向で比較するとバブル崩壊が本格化した1994年前半と同じ水準。内訳は男性が同0.1ポイント改善の3.1%で、女性は前月と同じ2.5%。
形態別雇用者数では役員を除く雇用者5605万人のうち、正社員は3561万人で前年同月より30万人増。非正規社員は2044万人で同104万人の大幅減。非正規のうち派遣社員は前月と同じ142万人だったが、派遣以外ではパートが987万人(同54万人減)、アルバイトが430万人(同33万人減)と前月を上回る減少ぶりだ。非正規比率は前月比0.2ポイント減の36.5%。
また、6月の休業者は236万人(同90万人増)となり、4月の597万人、5月の423万人よりは減少しているが、減少分のかなりの数が失業者に加わった可能性が高い。
同日発表した4~6月期の平均では就業者が6651万人(前年同期比78万人減)、完全失業者が194万人(同26万人増)、完全失業率が2.8%(同0.4ポイント増)となり、雇用環境の悪化が鮮明に出ている。