総務省は8日、新型コロナウイルスの感染拡大で4月から5月にかけて休業した労働者の動きを分析した労働力調査結果を発表した。それによると、4月、5月と連続して調査対象になった人で4月の休業者573万人のうち、5月も休業した人は283万人(全体に占める比率49.4%)、仕事に戻った人が252万人(同44.0%)となり、残りの28万人(同4.9%)は非労働力人口、10万人(同1.7%)が完全失業者となったことがわかった。
政府は4月7日に東京都など7都府県に緊急事態宣言を出し、同月16日には全都道府県に拡大。5月14日に39県で解除し、同月25日に首都圏も解除した。その間、厳しい外出規制が行われたことから、多くの企業が社員にテレワークで就労してもらう一方、仕事がないまま自宅待機などをさせる休業措置を取った。同調査によれば、4月の休業者のうち、約半数が5月も休業者のままだったことになる。
同省では、仕事を持ちながら調査期間中にまったく仕事をしなかった人のうち、「雇用者で賃金の支払いを受けた人」と「自営業者で仕事を休み始めてから30日にならない人」を休業者と定義。就業者と失業者の"中間"の立場にあり、失業予備軍の可能性を持つ。
4月、5月の単月で休業者となった人も含めた全体では4月が597万人、5月が423万人。1年前に比べ、4月は420万人も急増し、5月は274万人に減少したものの、なお高水準にあることから、政府はその動向を注視している。