東京商工リサーチが3日発表した今年上半期(1~6月)の上場企業の早期・希望退職実施状況によると、実施企業は41社、募集数(判明33社分)は7192人だった。企業数ではすでに昨年の年間件数の35社を上回り、上半期では2倍以上のペースだ。このうち、新型コロナウイルスの感染拡大の影響によるものは小売業や旅行関連など8社あった。
業種別ではアパレル・繊維製品が6社で最も多く、小売り、輸送用機器、電気機器などが続いた。6月には外食2社も募集を始めた。募集人数で最も多いのはレオパレス21の1000人で、ファミリーマートの800人、ノーリツの600人など。
昨年は黒字企業の募集が多かったが、今年は一転して赤字企業が前年同期の6社から20社に急増した。同社によると、赤字企業の場合は決算発表後に募集が集中する傾向にあり、下半期はさらに増える可能性があるという。
一方、新型コロナ関連の企業破綻(負債1000万円以上)は6月30日時点で延べ294件。5月の83件から6月は103件に達している。業種では飲食業が46件で最も多いが、旅行業のホワイト・ベアーファミリー(大阪府)が負債総額約278億円で民事再生法の適用申請をした。コロナ関連では最大の倒産。