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2020年6月30日

6割以上が「残業申告せず」 連合のテレワーク調査

 連合が30日発表した「テレワークに関する調査2020」によると、テレワークで働いて残業や休日労働が発生した人のうち、会社に申告しない人が6割以上に達していることがわかった。その理由は「申告しにくい雰囲気」「時間管理がなされていない」が多く、テレワークの課題が浮き彫りになった。

 4月以降でテレワークで働いた人は「毎日」「勤務日の7~8割」「勤務日の5割以上」を合わせると72.7%に達し、1日あたりの時間は「6~7時間」が34.3%、「8~9時間」が33.8%の大部を占めた。

 テレワーク勤務で残業・休日労働が発生した人は「まったくなかった」が48.5%と半数近くにのぼったが、「よくあった」「時々あった」「まれにあった」を合わせると38.1%を占めた。

 しかし、会社にそれを申告したかどうかについては、「よくあった」から「まれにあった」を合わせると65.1%にのぼり、残業などが勤務先に認められないことも56.4%あったという。申告しなかった人に理由を聞いたところ、「申告しにくい雰囲気だったから」が26.6%、「時間管理がなされていないから」が25.8%の多数を占めた。「上司に申告するなと言われた」も11.7%あった。

 テレワーク体験のプラス評価としては「家族との会話の増加」や「プライベートの充実」が多い半面、マイナス評価は「仕事とプライベートの区別がつかない」「長時間労働になりがち」「給料がダウン」などが多かった。しかし、経験者の81.8%は今後も継続を希望しており、女性の場合は89.6%の高率に達した。

 これらの結果について、早稲田大学教育・総合科学学術院の黒田祥子教授は、「今後は感染予防対策だけでなく、新しい働き方への転換を見据え、テレワークをメインとする体制を展望していく必要がある」として、「一つの企業に定時出社し、まとまった連続時間で働くことを前提とした現行の労働時間規制は見直していく必要もある」とのコメントを寄せている。

 調査は5~9日に実施、4月以降にテレワーク勤務をした18~65歳の男女1000人から有効回答を得た。

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