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2020年6月30日

5月の有効求人倍率1.20倍、新規求人減で5カ月連続低下

n200630.png 厚生労働省が30日発表した5月の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.12ポイントと大幅低落の1.20倍となった。5カ月連続の低下で、下げ幅としては第1次石油ショック時の1974年1月以来。単月では2015年7月と同じ水準だが、当時の求人倍率は上昇傾向にあり、下降局面での水準で比べるとバブル崩壊直後の1992年前半以来だ。新型コロナウイルスの感染拡大で、企業の求人意欲の急速な低下が続いている。都道府県別(就業地別)では福井県の1.73倍が最高で、最低は沖縄県の0.86倍だった。

 新規求人倍率は1.88倍で前月比0.03ポイントの上昇。4月の大幅低下の反動で上昇に戻した。15年後半の水準に戻った。新規求人数(原数値)は前年同月比32.1%減で、4月とほぼ同じ減少幅。業種別では宿泊・飲食サービス業の同55.9%減、生活関連サービス・娯楽業の同44.2%減、製造業の同42.8%減などが目立ち、4月後半からの大型連休中に出た外出規制や営業自粛の影響を直接受けた業界の減少が際立った。

 また、正社員の有効求人倍率(季節調整値)も前月比0.08ポイント低下の0.90倍となった。

5月の完全失業率2.9%に急上昇、休業者も423万人

 総務省が30日発表した5月の就業者数は6656万人で、前年同月比76万人減と2カ月連続で減少した。完全失業者は198万人で同33万人増え、4カ月連続の増加となった。

 この結果、完全失業率(季節調整値)は前月比0.3ポイント増の2.9%と3カ月連続で上昇した。単月では17年2月と同じ水準だが、当時の失業率は改善傾向にあり、悪化傾向で比較するとバブル崩壊が本格化した1994年末以来の水準。内訳は男性が同0.3ポイント悪化の3.2%で、女性も0.2ポイント悪化の2.5%。

 形態別雇用者数では役員を除く雇用者5580万人のうち、正社員は3534万人で前年同月より1万人減。非正規社員は2045万人で同61万人の大幅減。非正規のうち派遣社員は137万人(同5万人増)だったが、派遣以外ではパートが986万人(同37万人減)、アルバイトが421万人(同31万人減)と激減した。非正規比率は前月比0.5ポイント増の36.7%。

 一方、会社員や自営業者で5月中に仕事をしなかった休業者は423万人(同274万人増)にのぼり、4月の597万人から少し減少したものの、高い水準が2カ月連続で続いている。休業者もその中心はパートの89万人(同69万人増)、アルバイトの66万人(同51万人増)だった。

 また、厚労省がハローワークなどを通じて集計した新型コロナ関連の解雇・雇い止め数(見込みを含む)は26日時点で2万8173人となっている。

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