労働者派遣法の2012(平成24)年改正と15(平成27)年改正の点検作業を進めてきた労働政策審議会労働力需給制度部会(鎌田耕一部会長)は26日、「日雇い派遣原則禁止」や「離職後1年以内派遣禁止」など13の点検項目の精査を終えた=写真。これまでの議論で現行法の課題や労使で見解の異なる項目が浮き彫りとなったものの、早急な見直しは見送る方向で概ね一致。昨年6月から実施してきた一連の作業はヤマを越え、報告書の策定に入る。
同部会は、事業者(派遣元)や受け入れ企業(派遣先)、派遣労働者へのヒアリング調査を重ねると同時に、現場の運用実態を把握するための施行状況調査を実施。今年2月までに両調査の結果を取りまとめ、新型コロナウイルス感染症対策に伴う中断を挟んで5月下旬から急ピッチで点検作業を展開してきた。
検討項目は、12年改正が「日雇派遣の原則禁止」「離職後1年以内の労働者派遣の禁止」「グループ企業内派遣の8割規制」「マージン率などの情報提供」「労働契約申し込みみなし制度」――の5項目。15年改正は「雇用安定措置」「派遣期間制限」「特定目的行為の禁止」「計画的な教育訓練・相談機会の確保」「許可制」「初回許可の有効期間」「法令違反を繰り返す派遣元の公表」「派遣先の団体交渉応諾義務」――の8項目の計13項目。
5月27日に再開された点検作業で、使用者側は「現場実態とニーズを踏まえた緩和・撤廃」、労働者側は「現行法の維持・強化」を求めてきた。この日は...
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