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2020年6月12日

直接申請の休業給付、特例法成立 「趣旨の周知徹底を」連合が指摘

 新型コロナウイルスの影響で仕事が休みになったにも関わらず、事業者から休業手当を受け取れない労働者に対して直接給付する雇用保険法の臨時特例法が、12日の参院本会議で全会一致で可決、成立した。この新たな給付金について連合は談話を発表し、事業者による雇用調整助成金の活用が大前提であり、「趣旨の周知徹底が必要」と、事業者の責任放棄につながらないよう警戒している。

 新制度は中小企業で働く人が対象で、個人で直接申請。月33万円を上限に、賃金の8割を給付する仕組み。政府は、助成金の日額上限を1日8330円から倍額の1万5000円に引き上げた雇用調整助成金の活用を促しており、新制度は雇調金を受け取れない場合の救済策だ。

 この制度を巡っては、加藤勝信厚労相が5月15日の会見で「使用者の責に帰すべき事由で労働者を休業させた場合には、休業手当の支払い義務が生じる」と指摘。事業者が休業手当を支払わずに、安易に新設の給付金に飛びつかないよう釘(くぎ)を刺したが、事業者のモラルハザードを助長しないか懸念されている。

 連合の相原康伸事務局長は談話の中で、「本来事業主が支払うべき休業手当の支給がなされない場合に、個人への直接給付を認めるものであり、この趣旨については周知徹底をはかるべき」と強調。新制度の活用ルールと運用のあり方を注視している。


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