厚生労働省が9日発表した毎月勤労統計の4月速報値(従業員5人以上)によると、労働者1人あたり現金給与総額は27万5022円(前年同月比0.6%減)となり、4カ月ぶりに前年を下回った。物価上昇分を差し引いた実質賃金指数(2015年=100)も85.2(同0.7%減)で、2カ月連続のマイナスとなった。
内訳は、基本給の所定内給与の24万6397円(0.0%)に対して、残業代などの所定外給与は1万7984円(同12.2%減)と大幅に減少し、新型コロナウイルスに対応する休業やテレワークなどの影響が鮮明に出る結果となった。就業形態別では一般労働者(フルタイム勤務)が35万5539円(同0.6%減)、パートタイム労働者が9万5114円(同3.9%減)で、パートの減収幅が広がった。
総実労働時間は138.1時間(同3.7%減)だったが、残業などの所定外労働時間が同18.9%減と3月からさらに大きく減少した。月末の常用雇用者は5130.2万人(同1.5%増)で、パートタイム比率は30.54%(同0.55ポイント減)と3カ月連続で低下し、4月から本格化した非正規労働者の雇い止めなどを反映したとみられる。