厚生労働省は20日、同日スタートした「雇用調整助成金」のオンライン申請でシステムの不具合が発生したため、稼働を停止した。申請を希望する人が受け付け画面に個人情報を入力しようとした際、すでに別の人の名前や電話番号、メールアドレス、パスワードなどが表示されていた。原因を調査中で、復旧のメドは立っていない。
厚労省によると、オンライン申請は正午開始で案内していたが、午前10時ごろからアクセス可能な状態にあった。申請希望者や労働局などから、他人の個人情報が閲覧できる状態にあるとの指摘が相次いだことを受け、午前11時過ぎに停止した。誤って表示された社数や人数は午後4時時点で分かっていない。
雇調金は、新型コロナウイルスの影響で業績が落ち込んだ企業が、従業員に休業手当を支払った場合に費用の一部を助成するもの。助成率や上限の拡充のほか、手続きの簡素化を進め、企業に活用を促していた。