厚生労働省は6日、中小零細企業を対象にした雇用調整助成金の申請手続きの一部を簡素化する、と発表した。助成額を算定する際に必要な平均賃金の計算を免除し、実際に支払った休業手当で済ませるようにする。対象は、おおむね従業員20人以下の企業が対象。詳細は連休明けに発表する。
雇調金は、雇用を維持しながら従業員に休業手当を支払う企業に対し、国が資金支援する制度。加藤勝信厚労相が6日、平均賃金の算定方法がむずかしいとの批判に対応したもの。
また、小規模企業以上の企業にも、申請手続きのルールを緩和し、1人当たりの平均賃金を計算する際に、労働保険料の申告書の利用を求める現制度を簡素化し、源泉所得税の納付書の代用を認める。また、休業手当の計算に必要な「所定労働日数」を、休業実施前の任意の1カ月を基に算定できるようにする。
中小企業に対する雇調金については、1日にも国が休業手当の全額を補助する拡充策を発表したばかり。申請書類が多くて複雑なうえ、助成内容も不十分なことから、企業側から「使い勝手の良い制度」を求める声が強まっていたが、相次ぐ"小出し策"に労働局など窓口の混乱は必至だ。