連合主催の第91回メーデーが29日、開かれた。1920年に国内初のメーデーが開催されてから今年で100年の節目を迎えたが、新型コロナウイルス感染症の防止を最優先。ウェブ配信による「全国参加型メーデー」として、事前収録した神津里季生会長のメッセージなどをユーチューブの公式チャンネルなどで公開した。
例年は、東京・代々木公園に4万人前後が集結する中央大会だが、今回は4月初旬に東京都建設局が公園の「臨時休園・使用中止」を通知してきたため、新たな開催方法と発信手法を検討。ウェブ開催とすることで、構成組織と組合員に限らず、「すべての働く人たちとの連帯」をより鮮明にした格好。感染防止の一環としても、中央大会に合わせて実施してきたイベントやデモを中止した。
事前収録は27日に都内の連合会館1階ロビーで行われた=写真。神津会長は公開されたメッセージの中で「私たちは今、足元の危機的事態において、連帯の輪で、連帯の力で働く者を守っていかなければならない。守る・つなぐ・作り出す。私たちはこれらの営みをデジタルの世界で、このようなオンラインのツールを使って展開する力をもっと高め、一方でオフラインの喜びも改めて再確認する必要がある」と呼び掛けた。加えて、「労働組合と言う傘に守られていない方々、労使関係と言う機能に無縁な方々が日本には8割以上もいる。それがいかに働く者にとって不利なことなのか、今この緊急事態において、そのことが露呈をしている」と指摘した。
ウェブ配信のメーデーは、神津会長と相原康伸事務局長、斉藤千秋中央実行委員の3人による「がんばろう三唱」で締めた。
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