厚生労働省が28日発表した3月の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.06ポイント低下の1.39倍となった。3カ月連続の低下で、16年9月当時と同じ水準。都道府県別(就業地別)では福井県の1.90倍が最高で、最低は北海道、高知県、沖縄県の1.18倍だった。
新規求人倍率は2.26倍で前月比0.04ポイント上昇。新規求人数(原数値)は前年同月比12.1%減で、業種別では前月と同様に、製造業の同22.8%減、宿泊・飲食サービス業の同19.9%減、その他サービス業の同18.1%減、生活関連サービス・娯楽業の同16.6%減など、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている業界の減少が目立った。
また、正社員の有効求人倍率(季節調整値)も前月比0.02ポイント低下の1.03倍となった。
この結果、2019年度の年間平均有効求人倍率は1.55倍となり、前年度比0.07ポイント低下した。年間倍率は、リーマン・ショック時の0.45倍を底に、それ以降は10年連続で上昇を続け、18年度に1.62倍のピークを付けた。
3月の完全失業率2.5%に上昇、男性が悪化
総務省が28日発表した3月の就業者数は6700万人で、前年同月比13万人増、87カ月連続の増加となった。完全失業者は176万人で同2万人増え、2カ月連続の増加となった。
この結果、完全失業率(季節調整値)は前月比0.1ポイント増の2.5%となった。これは19年3月以来の高さ。内訳は男性が同0.1ポイント悪化の2.7%で、女性は前月と同じ2.2%。
形態別雇用者数では役員を除く雇用者5656万人のうち、正社員は3506万人で前年同月より67万人増。非正規社員は2150万人で同26万人減となり、非正規比率は38.0%となった。非正規のうち派遣社員は144万人で同2万人減少した。
この結果、19年度の年間平均では完全失業率が前年度比0.1ポイント低下の2.3%。就業者数は6733万人(同52万人増)、完全失業者は162万人(同4万人減)など。
2月から国内で本格化した新型コロナウイルス感染症の感染拡大が雇用面に及ぼす影響が注目されていたが、求人倍率、失業率ともに3月になって表面化。4月以降はさらに悪化するとみられる。このため、政府は雇用調整助成金の支給要件の大幅緩和などを通じて、企業に対して雇用を守るよう再三に渡って要請している。
厚労省が労働局やハローワークを通じて集計したところ、新型コロナ関連の解雇・雇い止め数(見込みを含む)を27日時点で3391人となり、3月末の1000人余からほぼ1カ月で3倍以上に急増しているとみられる。