パーソル総研は23日、新型コロナウイルスによるテレワークへの影響に関する正社員の緊急調査結果を発表した。それによると、13.2%にあたる推計360万人がテレワーク(在宅勤務)で働いていることがわかった。
テレワークで働いている人は13.2%で、残る86.8%は通勤などの通常勤務。実施している人の47.8%は初めての経験。実施していない会社員のうち、33.7%がテレワークを希望していた。これを正社員約2726万人(2015年国勢調査)を基に推計すると、テレワークで働いている人は約360万人となり、そのうち約170万人が初めて。
実施していない人に理由(複数回答)を聞いたところ、「制度が整備されていない」が41.1%で最も多く、「テレワークでできる業務ではない」の39.5%、「ICT環境性が整備されていない」の17.5%、「テレワークを行う場所がない」の17.0%などが続いた。感染拡大の速度が急だったため、テレワークの環境整備が追いつかない企業が多いことが推測される。
また、会社にテレワークを指示、推奨されている人は22.1%、時差出勤を指示、推奨されている人は29.4%、対面会議を禁止、推奨されている人は32.2%だった。
これらの結果について同社は、テレワークは仕事のプロセスや努力といった業務過程が見えにくく、結果の差だけが可視化されやすいことから、各社員が果たすべき職務(ジョブ)や責任を明確に定め、従来の曖昧な「総合評価」から「職務責任を果たせたかどうかという評価」に変えていく必要がある、と提言している。
調査は9~15日に実施、全国の正社員の20~59歳の男女2万1448人から回答を得た。