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2020年3月19日

学生向け「ワンデー(1日)インターンシップ」の取り扱い停止 全求協と大学協が共同声明

 全国求人情報協会(全求協)と日本私立大学団体連合会など大学協会7団体は19日、企業が大学生向けに実施している「インターンシップ(就業体験)」の見直しに関する共同声明を発表した。これに伴い、全求協に加盟するマイナビやリクルートキャリア、ディスコなどは、就業体験が確保されない「ワンデー(1日)インターンシップ」の表記をやめ、6月以降、取り扱いを停止する。また、長期のインターンシップも学業や課外活動を妨げないよう平日以外の開催を促す。

 インターンシップを巡っては、企業が「青田買い」の場として利用するケースが目立ち、「1日インターン」は単なる企業説明会や会社見学会が大半を占めると指摘されている。

n200319.jpg 同日、都内で開いた合同記者会見には、全求協の新卒等若年雇用部会長を務める浜田憲尚氏(マイナビ)=写真・左=、同連合会の就職問題委員会委員長の土屋恵一郎氏(明治大学長)=写真・右=らが並んだ。土屋氏らは「インターンシップは採用選考活動解禁前の実質的な採用選考プロセスであると受け止められ、大学の教育現場に不要な混乱を招いている」などと指摘。さらに、「ワンデーインターンシップの存在は学生が学業に集中しがたい状況を生み出す要因になっており看過できない」と、共同声明に至った理由を挙げた。

 この問題については、経団連も2月にインターンシップの平日開催や1日インターンシップの原則廃止を打ち出している。今月末に開かれる経団連と大学の「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」で見直しの内容を取りまとめ、政府の未来投資会議に提言する運びだ。

 共同声明に参画したのは、同連合会のほか、国立大学協会、公立大学協会、日本私立短期大学協会、全国公立短期大学協会、日本私立高等専門学校協会、全国公立高等専門学校協会。


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