衆院本会議は17日、労働者が企業に未払い残業代などを請求できる期間を現在の「2年」から「3年」に延長する労働基準法改正案を可決した。4月施行の改正民法で、賃金に関する債権の消滅時効が原則5年になるため、これに合わせて現在の労基法の「2年」を見直すもの。労基法改正案の本則では「5年に延長」としつつ、経過措置で「当面3年」としている。3月中に参院で可決・成立し、4月に改正民法と同時施行となる運びだ。
改正案の骨子は、(1)消滅時効期間を原則5年とし、当分の間は3年間(2)退職金は現行の5年を維持(3)有給休暇、災害補償などの請求は現行の2年を維持(4)改正法の施行から5年経過後に、必要な見直しを講じる(5)経過措置として、改正法施行前の賃金債権は2年とし、施行後の賃金債権は3年とする――など。
同法案は、政府は2月4日に国会に提出。3月6日に衆院で審議入りし、同11日に衆院厚生労働委員会で可決していた。予算外となる法案のため、通常は4月以降の審議入りとなる案件だが、政府は改正民法との同時施行にこだわり、3月中の成立を念頭に進めている。