帝国データバンクが12日発表した2020年度「雇用動向に関する企業の意識調査」によると、20年度中に正社員の採用予定のある企業は59.2%(前年比5.0ポイント減)と2年連続で減少。14年度以来、6年ぶりに6割を下回った。採用予定のない企業は27.8%(同3.4ポイント増)で2年連続の増加。
企業規模別にみると、採用予定のある大企業は82.9%(同1.9ポイント減)と10年ぶりに減少したものの、採用意欲はまだ旺盛。これに対して中小企業は53.6%(同5.5ポイント減)と大企業ほどの意欲はみられず、水準も14年度の53.4%と並んだ。
一方、非正規社員の採用予定のある企業は44.2%(同6.1ポイント減)と大きく下がり、2年連続の減少となった。採用予定のない企業は40.2%(同3.9ポイント増)と2年連続で増え、13年度以来の40%台になった。
新型コロナウイルスの感染拡大で景気の先行き不透明感が強まっていることから、「影響がなくなるまで静観する」(情報処理サービス業)と採用に迷っている企業も多くみられたという。同社は「感染動向によっては採用計画を見直す企業が増える可能性がある」と予想している。
同調査は毎年2月に実施。今回も2月後半、全国2万3668社を対象に実施し、1万704社(45.2%)から有効回答を得た。