2020年春闘は11日、大手メーカーなどの集中回答日を迎えたが、米中対立の長期化による業績落ち込みに加え、新型コロナウイルスの影響が不透明なこともあり、前年を下回る回答が続出し、労働側には厳しい事態となった。
自動車ではトヨタ自動車が7年ぶりにベースアップ(ベア)をゼロと回答、定期昇給、手当などを含む総額1万100円の要求に対して回答は8600円。前年実績を2000円ほど下回った。一時金(ボーナス)は満額の6.5カ月分だった。
業績不振の日産自動車は9000円の要求に対し、回答は7000円。回答が要求を下回ったのは17年以来3年ぶり。ホンダは要求2000円に対して回答は1500円だった。
鉄鋼業界は2年に1度の交渉方式だが、日本製鉄、JFEスチール、神戸製鋼所の大手3社とも、要求額の3000円に対して7年ぶりのゼロ回答。重機の三菱重工、IHIなどは6000円の要求に対して回答は1000円と前年の1500円を下回った。
電機では、統一要求の3000円に対して、日立、シャープは1500円、東芝は1300円、パナソニックや富士通などは1000円と回答はバラついた。